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法律扶助制度

法律扶助制度というのは、弁護士・司法書士の報酬や、裁判の費用などを自己資金のなかから支払うことが困難な人のため、公的な資金をもって、裁判を受ける権利を支援するための制度のことをいいます。
司法制度改革によって誕生した日本司法支援センター、通称で法テラスとよばれている組織が、現在はこの制度の窓口となっています。
制度を利用するにあたっては、いったんこの法テラスで弁護士が行っている法律相談を受け、さらに収入その他の財産の状況などについての審査を通過してからとなります。
あくまでも資力がない人向けというのがこの制度のポイントですので、自己資金で十分に弁護士費用などを支払うだけの余裕がある人が、安易にこの制度の申し込みをしないようにするためのものです。
もし制度の適用がきまった場合、法テラスのほうでいったん弁護士費用などを立て替えてもらえますので、以後毎月5,000円から10,000円程度の分割払いによって返済し、おおむね裁判が終わってから3年を目処に返済を完了することとなります。
ただし、生活保護を受けているなどの特別な事情がある場合については、この返済についても猶予してもらえるという制度があります。

弁護士と協力医

医療過誤訴訟の場合であっても、普通の民事訴訟の場合とかわらず、医師である被告にどのような過失があったのか、原告は具体的にどのような損害をこうむったのか、そもそも過失と損害との間に因果関係があるのかといったことを、被害者である原告の側が立証しなくてはなりません。
弁護士であっても文献などからひととおりの知識を得ることはできますが、訴訟の対象となっている個別具体的なケースについて当てはまるのかどうかは、やはりしっかりとした医学的知見をもつ専門の医師が評価しなければ難しい部分が大きいといえます。
そうした際に、弁護士からの依頼を受けて、病院への開示請求によって得られた原告である被害者の症状に関するカルテ、レントゲンやCTなどの診断画像、その他の検査によるデータなどを分析し、客観的なアドバイスをするのが、協力医とよばれる専門の医師の役目となります。
こうした医師のアドバイスによって、弁護士のほうは法律上の問題点を明らかにする作業に力を集中できるため、医療過誤訴訟を乗り切る上では不可欠の存在といえます。
ただし、こうした医師が弁護士事務所の専属になっているというケースはまず想定されず、事件ごとに個別に探すというほかはないようです。

証拠を保存しておくには

身体の不具合によって病院を利用することがありますが、時には医療過誤といって、いわゆる医療ミスによって被害を受けてしまうことがあります。この点に関しては医師に関しては過失を問われることが多く、業務上として過失があったことを被害者やその家族が証明することが必要とされています。元来、病院の治療や手術に関しては専門的知識を有する内容を持っていることによって、一般的な方では十分に把握することが困難な内容を持っていることが多い傾向にあります。そのため、十分な証拠集めができない場合も見受けられますが、この点に関しては得意分野としている弁護士が存在していることによって、依頼をすることで比較的スムーズに証拠保全を行うことができます。例えば使った薬品や検査などの内容、手術中の動画や手術の技術、通常のカルテなども相当することになりますが、他のスタッフの証言なども大切な要素とされるケースも見られます。通常では提訴することによって、証拠を守ることができ、提出されない証拠に関しても命令によって提出させるということも不可能ではありません。素人では解決できない部分が強く残る内容を持っていることが多い傾向にあるために、やはり専門家に任せることで解決への道が拓けることになります。

医療ミスと証拠

医療過誤訴訟は一般の民事事件に該当しますが、そこには難しい面があり、それは医師の過失の扱いにあります。病院という狭い世界の中で起こることもあり、また、医師がどのような注意義務を負っているか明確に表示されていないからとも言えます。医療過誤の場合には立証責任が患者側にあるのも難しい面の1つで、手術室や病室で起こったとしても目撃者は病院側の人間がほとんどで、目撃証言に関しても期待することはできないことになってしましまいます。これが、よく密室の壁と言われる理由です。他に、専門性の壁があり、被害者側はすべて素人で、なにがあったのか分からないのも実情です。また、医師会に見られるように共同体の存在が強く、他の医師の協力を仰ぐにも難しい面があります。最近は病院においての記者会見や原因究明の第三者委員会が設けられることが多いので、訴訟をする場合などは有利な面もありますが、依然として証拠を集める場合には大変な時間がかかります。カルテ等の保全も大事なことで、検査記録の確保も必要となり、改ざんや資料の抹消には注意をしなけばなりません。提訴を決めた場合には専門家への相談とともに弁護士へ委任するのが一番であり、安心できます。

医療過誤訴訟を立証する難しさ

最高裁判所が発表している「医事関係訴訟に関する統計」によれば、現在では年間1千件あまりの医療過誤訴訟が提起されているとされていますが、民事訴訟のなかでもかなり難しい部類のものにあたります。
その理由としてはいくつか挙げられますが、まずは被害者である患者のカルテ、検査結果のデータ、レントゲンなどの画像といった証拠については、すべて病院が握っているため、改ざんのおそれがあります。このため、訴訟の準備段階から、裁判所に証拠保全を申し立てるなどの工夫をしなければなりません。
また、運良くこうした証拠が手に入ったとしても、一定の医学知識がなければカルテなどを読み込んで相手の主張の矛盾を暴くことは困難です。そこで、弁護士に協力してくれる協力医を探すことになりますが、医療という狭い業界に身を置いていながら、被告である相手の医師の不利益になるような役目を引き受けようという人は少なく、ここにも困難がともないます。
さらに、訴訟の内容があまりにも専門的かつ高度であるために、裁判が長期化することが多く、訴訟にかかる経費の重さとともに、時間だけがむなしく過ぎていく状況に耐えられるかどうかといった、原告側の忍耐強さも要求されるということがあります。

免許などの行政上の責任

近年では医療ミスに関しては専門的な知識を持っている弁護士なども存在しており、以前はそのまま病院側に処理されてしまったような内容であっても、疑問に感じる内容があれば随時相談することが可能とされる体制が設けられていることが特徴になります。医療関係の業務内容に関しては一般的な方では正常に判断することができない性質を持っていることによって、家族や遺族となった方は、該当者の受けている医療行為に対して十分に把握しておくことも大切になります。実際に発生している医療ミスに関しては、例えば医師が行うべき問診や点検が実施されなかったというケースや、手術に発生してしまう医療ミスも存在しています。この場合では周囲の方からヒアリングを行うことも大切になり、医療記録などを保全しておくことも必要なケースがあります。法的な部分としてはやはり弁護士に依頼することが良い手段になり、行政責任を負わせることも不可能ではありません。一般的な損害賠償に関しても裁判の発展することが多いものですが、例えば医師としての免許の停止なども行政上の問題として判断が下る場合もあります。医師の場合では免許の停止に関しては、自動車事故と同じような一面を持っており、一定期間の停止や免許の剥奪なども想定されています。

業務上過失致死罪

業務上過失致死罪とは、日本の刑法に規定された犯罪です。業務上必要な注意を怠ったことにより、人を死傷させてしまった罪になります。
業務とはつまり、職業として継続して行われる行為のことを差しますが、この罪における「業務」とは「社会生活上の地位に基づいた反復継続して行う行為のことであり、生命や身体に危険を加えるおそれのあるもの」のことをいいます。
業務を行う際に、要求される注意義務に違反することによって人を死傷させてしまうことで、対応されるのです。
一般的に、業務者には、通常人と異なった特別に高度な注意義務があり、その注意義務に違反することによって処罰を受けることになります。
本罪を確立させるためには、注意義務を違反したことのほか、「違反が無ければ死傷するはずがなかった」と言う因果関係が存在することが必要になります。
法定刑では「5年以下の懲役、もしくは禁錮または100万円以下の罰金」とされています。
自動車で故意に危険な運転をして人を死傷させた場合も本罪で対応してきましたが、アルコールや薬物による悪質な交通死亡事故の急増を受けて「危険運転致死傷罪」が平成13年より新設されており、悪質な交通事犯に対応するために改正されています。

不法行為責任

不法行為責任という言葉があります。これは一般的な方が体験するようなシーンとしては、自動車での交通事故などで利用されている場面が見られます。自動車事故では故意または過失によって、被害者となる方が出てしまい、何かしらの損害を与えてしまった際に発生することになります。この件に関しては一般的には加入をしている自動車保険会社によって損害賠償が行われることになり、あまり大きな問題に発展しない傾向がありますが、事故の性質によっても大きく変わる部分を持っています。その一方で、医療関連の業種においても同じような事柄が発生してしまうケースも見られます。いわゆる医療ミスが起因していることになりますが、医療ミスを犯してしまい障害や死亡事故などを起こしてしまった場合では、当事者やその遺族によって医療施設または医師などが責任を問われることになります。一般的には刑事責任と行政責任に分類することができ、刑事責任では一般的には金銭的な部分で賠償されることになり、行政責任の場合では、業務停止や免許の取り消しなどが実施されていることが一般的になります。医療事故の場合では、事故に関する状況を正確に証明することが求められており、素人では判断できない部分が多々あるために、専門家に依頼をすることも一般的になります。

債務不履行責任

医療ミスによる医療過誤事件を耳にすることがありますが、医療ミスに関しては民事上は一般的な損害賠償請求事件にもかかわらず、難しい面が存在します。それはには因果関係の証明が関係しています。例えば、交通事故などでは義務違反など、過失に対しての判断が分かりやすい面がありますが、医療に関しては、医師がどのような注意義務を負っているのか判然としない部分があるからです。また、交通事故では立証責任が転換されているのに対して医療ミスにおいては患者が立証しなければなりません。訴訟を行う場合においても、カルテや検査記録を確保しなくてはならず、病院側でミスを認めた場合等を除いてはとても大変な作業となります。訴訟を行う場合には損害賠償金の請求額によって相手方の医師の住所地を管轄する地方裁判所か簡易裁判所に提訴することになりますが、長期にわたることもよくあります。判決が出た場合には相手方が原告に確定金額を支払うことで解決となります。もし、相手方が支払わなかった場合には債務不履行責任を問うことがで、その場合には訴状による債権差押えを行うことができるようになります。差押え債権は給料債権や銀行債権など、どれでも構いませんが、確実に確保できる対象債権を探す必要があります。注意しなければならないのは時効の存在で、不法行為を使う場合には20年経ってしまうと損害の知る、知らないに関わらず、請求はできなくなります。